業務への影響はゼロ?工事不要で回線を切り替える「事業者変更」の全貌
「会社の光回線を見直せば固定費が安くなるのは分かったけれど、切り替えの日にネットが使えなくなるのは困る」
「オフィスの壁に新しく穴を開けたり、平日に工事に立ち会ったりするリソースがない」
総務やITインフラの担当者にとって、回線の乗り換え(リプレイス)に踏み切れない最大の理由は「業務への影響」と「手続きや工事の手間」ではないでしょうか。1分1秒でもネットが止まれば仕事にならない現代のオフィスにおいて、その懸念は当然のものです。
しかし、ご安心ください。現在の光回線インフラには、「ネットを1秒も止めることなく」「面倒な物理工事もなしで」会社を切り替えられる仕組みが用意されています。
今回は、既存の法人回線をスマートにリプレイスできる「転用」と「事業者変更」の仕組みについて分かりやすく解説します。
1. なぜ「工事なし・番号そのまま」で切り替えられるのか?
結論から言うと、現在主流の乗り換え手続きである「転用」や「事業者変更」では、オフィスに引き込まれているNTTの光ファイバー(回線設備)をそのまま引き継いで使うからです。
2015年に始まった「光コラボレーション(光コラボ)」という制度により、さまざまな事業者がNTT東日本・NTT西日本の「フレッツ光」の回線を借り受けてサービスを提供するようになりました。
あなたが今使っている回線が「フレッツ光」や「他社の光コラボ(ドコモ光、ソフトバンク光など)」であれば、乗り換え先も同じNTTの網(設備)を使うことになるため、以下のメリットをそのまま享受できます。
- 物理的な工事が原則不要: 電柱からの引き込み直しや、オフィス内の配線やり直し、壁の穴あけなどは一切発生しません。
- 固定電話番号もそのまま: 光電話を利用している場合でも、現在のアナログ・光電話番号をそのまま100%引き継ぐ(同番移行する)ことができます。
2. あなたの会社はどっち?「転用」と「事業者変更」の違い
現在の契約状況によって、手続きの名前が2種類に分かれます。どちらも「工事不要・ネット中断なし」という点では共通しています。
パターンA:「転用」
- 対象となる企業: 現在、NTT東日本・西日本と直接「フレッツ光」を契約しており、プロバイダ(OCN、BIGLOBEなど)を別途契約している場合。
- 仕組み: NTTとの直接契約を、オフィス光119のような光コラボ事業者の契約へと「名義変更」するイメージです。
パターンB:「事業者変更」
- 対象となる企業: 現在、すでに他社の「光コラボ(〇〇光)」を契約している場合。
- 仕組み: Aという光コラボ会社から、Bという光コラボ会社へ、NTTの回線設備はそのままで「サービスの提供元だけを切り替える」手続きです。
3. 「切り替え当日」の業務への影響と流れ
最も気になる「切り替え日にネットは止まるのか?」という疑問ですが、答えは「業務への影響は原則ゼロ(中断なし)」です。
切り替えの手続きは、回線会社のシステム上で自動的に行われます。ある日の指定された時間に、内部の通信経路が旧会社から新会社へと切り替わる仕組みです。
- 有線LANやWi-Fiの配線はそのままでOK: オフィス内のLANケーブルやWi-Fiアクセスポイントなどの配線環境をいじる必要はありません。
- ルーターの設定変更だけで完了: 最新の「IPv6 IPoE接続」に対応したプランに乗り換える場合、切り替え日当日にルーターが自動的に新しい接続情報を認識するため、人が何も設定しなくてもそのままネットが繋がり続けるケースが非常に増えています(※接続環境によっては、ルーターの管理画面に新しい接続IDとパスワードを入力する簡易的な設定変更が必要です)。
まとめ:ハードルは「手間」ではなく「知っているかどうか」
「回線の乗り換え=大掛かりな工事とネットの中断」というイメージは、古い時代のものです。
現在の転用や事業者変更の仕組みを使えば、総務の通常業務や現場の作業の手を止めることなく、インフラの最適化を進めることができます。
切り替えにかかる手間の大半は、書類上のやり取り(承諾番号の取得など)だけで完結します。